竿かけに革命を起こす! 「楽竿ライト 量産化 2」

2013.10.19(Sat)

アームの量産試作品ができて来ました。
同時に他の部品の試作品もできました。
で、ハンドメイド楽竿ライトと比較してみました。




light02001.jpg

楽竿ライトを水平にセットした場合、現製品は竿が下に12°向きます。
が、出来上がってきた試作品は、上段のように17°も下を向いてしまいます。

これは感性の問題ですが、この角度には「心地よい」というものが存在します。

・5°以下の場合
竿を置くと同時にアームが閉まり、非常に気持ちがいい。 最初のうちは。
あまりにクイックすぎて、余裕というものがない。 だんだん疲れてくる。
自動車でいえば、レーシングカーのようなものか。

・20°以上の場合
竿を置くと、大きく前に沈み込む。
ストロークがありすぎて、動きが緩慢。
自動車でいえば、ダンプカーのようなものか。

レーシングカーもダンプカーも、運転したことはありませんが、まあ例えということで。

長時間使っていて疲れず、動作が心地いいと感じるのは、8~12°の間です。
これは実際に私が釣りに使用して感じたことですので、個人差があるかもしれません。

が、誰に命令されて作るものでもないので、とことん、主観で作ります(笑)

light02002.jpg

この試作品は、17°であり、前部が大きく沈み込むために、シーソー前部がU字溝の底よりも下に出てしまいます。

light02003.jpg

よって、U字溝底面とシーソーが干渉しないよう、切欠きを設けました。
しかし、取り付ける三脚の雲台によっては、シーソー部と雲台が干渉するかもしれません。
雲台によっては使えない・・・これはあってはならないこと。

light02004.jpg

やはり角度を浅くして、シーソー前部がU字溝底面と干渉しないようにする必要があります。

さて、この角度の調節ですが、どのようにして行うのかと言うと、これまた複雑で、3つの方法があるのです。

・シーソー部の回転軸位置を変更する。
・U字溝の幅を変更する。
・アームの初期位置(開いた状態)での、左右アーム接合部分の間隔を変える。

以上の3つの方法を組み合わせて設計をし直します。

「楽竿ライト 量産化 3」につづく



にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

竿かけに革命を起こす! 「楽竿ライト 量産化 3」

2013.10.21(Mon)

ハンドメイド楽竿ライトに、量産アームを取り付けると、上段のように12°から14°になり、問題が発生しました。




light03001.jpg

下段は試作U字溝ですが、これを14°にするには、シーソー軸を10mm後方にする必要があります。
これは試作U字溝の内寸が20mmから24mmと、4mm増えた事によるものです。

light03002.jpg

沈み込む量が同じでも、U字溝の内寸が変われば、アームが開閉する動作に違いが出ます。
前回記したように、3つの方法でシーソー角度を調整できますが、全部を変数にすると組合せが膨大になり大変です。

幸い、ハンドメイドで創る時、様々な実験をしたため、動作についてのカンがあります。 ここをこうすれば、こうなる・・・という感じで。

light03003.jpg

内寸はハンドメイドと同じ20mmにします。
今までの経験から、これよりも狭くなるとバランス(安定感、台座固定ネジに不可がかかりすぎる等)が悪くなります。
また、拡幅するとアームの動作が緩慢になります。
ここはこの数値で固定です。

シーソーの回転軸の位置は、微妙です。
この位置は、前後の重量バランスが関係するからです。
これは最後の変数としておき、もう一つの方法、アームの初期位置を変える事を最大限にやってみます。

light03004.jpg

左右のアームが開いている時(これが初期位置)、竿尻を押さえるアームが開きすぎていると、閉じるまでの距離が大きいので、シーソー角度が大きくなります。
この開きを狭くすることで、シーソー角度を小さくすることができます。
ただ、狭くし過ぎると、竿を置きにくくなります。 竿尻の直径に近くなると、シビアになるのです。

light03005.jpg

この、アームの回転軸の位置を下方に下げる事で、初期位置の開きを小さくすることができます。
この数値には、少しの許容しかありません。
構造を変えればできなくもありませんが、大掛かりになるので、ここは現在の形で最大限下げる事とし、あとは残しておいた変数、シーソーの回転軸の位置調整をする事にします。

light03006.jpg

それによる前後の重量バランスを取りなおすため、Y字部分、後部おもりの寸法等を調整しなおしました。

「楽竿ライト 量産化 4」につづく



にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

竿かけに革命を起こす! 「楽竿ライト 量産化 4」

2013.10.23(Wed)

量産化に向けた試作品の部品を外し、手作りの部品を組み合わせながら全体のバランスを取って行き、最終的なプロトタイプを作ります。




light04001.jpg

これが楽竿ライト量産型最終プロトタイプです。

先端のY字が、微妙に曲がっているのは、何度か変形させたためです。

ただなんとなくYの字に曲げているのではありません。
U字型、Y字型、それぞれに特徴があり、Y字に曲げる角度にも、ちょっとした効能があります。

今回も最終チェックが済み、微調整をしました。

light04002.jpg

細かい角度・寸法を変更して、最終仕様としました。

製法は、レーザーカット、板金加工、TIG溶接です。 一部金型も製作しました。

ロストワックスも考えたのですが、どこの工場も見積もりが、ずいぶんと割高だったので断念しました。

これが出来上がった量産型 楽竿ライト です。

light04003.jpg

底面には、2か所のネジ穴があります。

light04004.jpg

2か所とも、カメラの三脚のネジ穴です。 世界共通の規格なので、一般に販売されている普通のカメラ用三脚なら、どれでも接続可能です。
前方のネジ穴を使用します。

なぜ2か所あるのか?
これは別記事に書きますが、ちゃらんぼアタッチメント用です。
三脚は堤防用ですが、磯でもちゃらんぼに取り付けられるよう、アタッチメントを開発しました。

本体左面に、消えないようにエッチング処理をしました。

light04005.jpg

最近は何でもかんでも中国製なので、誇らしく「メイド イン ジャパン」を入れてみました(笑)

「楽竿ライト 量産化 5」につづく



にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

ちゃらんぼアタッチメント 「試作 1」

2013.10.24(Thu)

「楽竿ライト」を、磯用にしてほしい。
ちゃらんぼに取り付けられるようにしてほしい。

という要望が、国際フィッシングショー2012で大変多かったため、対応することにしました。

実は、これが私が磯に入ったきっかけです。

最初は、「磯ぉ~? 危ないからヤだなぁ~」
と思ってたんですが、今では波しぶきを被ると快感を覚える中毒患者です(笑)

さて、楽竿ライトは、ちゃらんぼに直接取り付ける事はできません。
もともとカメラ用三脚に取り付けるようにしていたからです。

そこでアタッチメントを間に入れる必要があります。

一般の竿掛け、石鯛用のは、こんな感じですね。




ata10001.jpg

パイプにピトンを差し込み、固定ネジできつく締め付ける。
竿受けの角度は、前方のネジを回して調整する。
もちろん、他の方法もありますが、この方式をよく見ます。

ata10008.jpg

これは理にかなっています。
石鯛のアタリはすごく、あのぶっとい竿を、根元付近まで曲げる事もあるようです。

ata10002.jpg

竿受け、ピトンには、ものすごい力がかかります。
ピトンが抜けてしまったというのも、よく聞く話です。
実際に釣るまでは、「え~?こんな太い竿がそんなに曲がるなんてウソだろ~。」って思ってました。

自分の竿がそうなるのを目の当たりにし、石鯛竿が竿掛けからはずれないほどの引き込みを体験してからは、磯の王者と呼ばれるのが誇張ではないと知ったのです。

これに耐えるよう、ピトンを固定する機能と、竿角度調整機能を、分けているのです。
(と、私は理解しました。)

しかし、上物でそんなの必要?

よく見るのが、これをただ小型化している上物用竿かけ。

上物竿は石鯛用よりもはるかに軽く、やわらかい。
かかる負荷は、底物とは比べ物にならないくらい軽いはず。

ならば、チャランボに固定する機能と、竿角度調整機能を一緒にしてやればいい。

ata10003.jpg

角度調整のネジ部分は不要です。

ata10004.jpg

パイプからちゃらんぼの頭を出して、その量で角度調整してやればOKです。
これで構造部が少し簡略化され、部品も減らすことができます。

ata10005.jpg

簡単なものを作ってみました。
楽竿ライトに取り付けるとこんな感じです。

ata10006.jpg

簡単すぎてちょっと不安。
実際に磯に持ち込んでみました。

ata10007.jpg

楽竿ライト量産型の開発と同時進行でやっていました。

実際にこれで何度か釣りをしましたが、特に不満はありません。

強いて言えば、ちょっと頼りない感じがすること。
けっこう、こういうのって当たるので、ちゃんと設計する事にしました。

「試作 2」につづく



にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

ちゃらんぼアタッチメント 「試作 2」

2013.10.25(Fri)

ちゃらんぼと可動軸が近いと、いくら上物用と言っても、部材への負荷がかかりすぎます。
ここはある程度離さなければなりません。




ata2001.jpg

これを考慮してみると、量産型はこんな感じになります。

ata2002.jpg

しかし、これをすぐに試作するのは時期尚早。
外注試作は金がかかるので、その前に自分で試作し、寸法等を調整するのが先決です。

まず、楽竿ライトとアタッチメントをどう接続するかですが、三脚のように1つのネジではダメ。

三脚は、雲台にゴムやコルクの緩衝材があり、これで緩みを防止します。
しかし緩衝材を張り付けると、はがれたりして寿命がきわめて短くなるのが目に見えています。

しかも目いっぱい締め付けないと、楽竿ライトが横に回転するのも、当然のように予測できます。

解決策として、ネジを2か所設ける事にしました。

ata2003.jpg

三脚と同じネジを採用しました。
これで、楽竿ライトが横に回転することはありません。 Eリングを付けて、ネジが抜け落ちないようにもしました。

1枚のステンレス板を万力にはさみ、バーナーで加熱、ハンマーでたたきながら曲げ、パイプ状部分を作成、ネジ溝を切って、ちゃらんぼに固定するネジを取り付けました。

ata2004.jpg

可動部もちょこっと工夫、ネジと曲げを入れて自作です。

ata2005.jpg

楽竿ライトとの接続は、ネジ頭の溝を広げて、コインで回して締め付けるようにしました。

取り付けると、こんな感じです。

ata2006.jpg

竿の角度は、ちゃらんぼの頭を出す量で調節します。

ata2007.jpg

室内の実験ではうまくいったので、磯に持って行って使用してみました。

ata2008.jpg

ん~、いい感じです。
十分、実用に耐えます。

この時点では、楽竿ライトもまだ量産型の試作段階。

この写真のものは、シーソー角度17°の、未完成品。
このへんの過程は、別カテゴリーの「楽竿ライト」に記述してあります。

次の段階へ進みます。

「試作 3」につづく



にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

ちゃらんぼアタッチメント 「試作 3」

2013.10.26(Sat)

これで大体の形が決まりました。




ata3001.jpg

バランスですが・・・

ata3002.jpg

感覚でわかりますね。
前方に力がかかりますので、前方にちゃらんぼを持って行った方がいいに決まってます。
作用点との距離が短い方が、負荷が小さいからです。

ata3003.jpg

これで外注試作品を発注します。

で、出来上がってきたので、早速磯へでかけ、フィールドテストです。

ata3004.jpg

取り付けているのは、楽竿ライト量産型プロトタイプ。
それとアタッチメントプロトタイプです。

ata3005.jpg

動作は完璧、まったく問題ありません。

で、すぐに発注しないのが、私のいやらしさ(笑)

さらに数か所、ムダと仕様変更をして、やっと出来上がりました。

ata3006.jpg

これがちゃらんぼアタッチメントです。

ata3007.jpg

竿の角度は、ちゃらんぼの頭を出す量で、調整します。

楽竿ライトとアタッチメントは、2か所のネジで固定します。



釣り場でドライバーなんかあるわけもないので、ネジをコインで回せるようにしました。
もっとも、磯へ行くのが決まってる場合、最初からくっつけとけばいいんですが(笑)


ata3008.jpg

こんな動作をします。




できあがり~




にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

竿に傷はつかないの?

2013.10.31(Thu)

「オールステンレスみたいだけど、アームで竿に傷がつかないの?」
「アームをゴムで覆えばいいのでは?」




一番多くいただく質問です。

結論から申し上げると、傷はつきません。
厳密には、つくのかもしれませんが、目には見えません。

アームは、ステンレスの5mm線材を曲げたものですが、表面に電解溶融処理をしており、とても滑らかです。

私は当然のように毎回使用しておりますが、アームが接する部分に傷はついておりません。



また、アームを樹脂、ゴム等で覆えば、この軽快な動作が損なわれる事があります。
傷がつかないのにコーティングするのは、単なるコストアップにしかならないので、これからもそうする予定はありません。

ただし、アームや竿に、砂や塩の結晶が付着しないようにして下さい。 アームと竿の間に硬いものが挟まると、たとえ樹脂やゴムのコーティングがあろうと、竿に傷がつくことがあります。

これは、従来の竿かけでも同様です。



にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

「楽竿ライト」をクーラーに取り付ける! クーラーアタッチメントの試作

2013.11.07(Thu)

先日、ある人から

「クーラーに楽竿ライトを取り付けたら便利じゃない?」

と言われました。
今まで考えたことはあったんだけど、ミニチェアーをよく使っていたので、作らなかったんです。

ふと思い立ち、ちょこっと試作してみる事にしました。

と言っても、楽竿ライトとちゃらんぼアタッチメントの組合せを使用するので、クーラーにちゃらんぼの代わりを取り付けるだけ。
材料は、こんなもんでいいでしょう。




cooler001001.jpg

ネジはサビるとまずいんでステンレス、あとの部材はアルミにしました。

これに穴を開け、ネジを切ると、こんな感じ。

cooler001002.jpg

組み合わせると、こうなります。

cooler001003.jpg

これをクーラーに取り付ければOK。

このままクーラーに当てて、ネジをクーラー本体にねじこみ、座金を固定します。
移動中は、こんな感じで、邪魔になりません。

cooler001004.jpg

で、釣り場に着いたら、本体を蝶ネジで座金に固定します。

cooler001005.jpg

上部が13mmのアルミ棒です。

これに楽竿ライト+ちゃらんぼアタッチメントを取り付けると、こうなります。

cooler001006.jpg

実際に竿をかけて座ってみます。

cooler001007.jpg

おお! ええ感じや!

アルミ丸棒を、少しクーラー本体から離して設置してるので、クーラーの持ち手やフタに干渉しません。

cooler001008.jpg

ちゃんとフタも開きます。

・・・これ、めちゃ便利やん・・・

今度これで釣りに行って、よければ製品化しよっと。

cooler001009.jpg

アルミ丸棒は、アルミ平角棒とネジで止めていますが、いくら締め付けても、力が加わると、くるくる回るため、さらに簡易溶接しときました。

cooler001010.jpg

堤防の場合、竿かけは、これだけ持って行けばいい事になるので、手軽かも。
全部竿ケースに余裕で入ります。

ベランダで実験する様子です。




むむ・・・堤防では、楽竿や、楽竿ライト+三脚よりも、ずっと使いやすいかも・・・




にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

イノベーション?

2013.11.08(Fri)

とある大学の大学院研究室から、アンケートが来ました。




anke001.jpg

なんでも、イノベーションが生まれるのは個人からであり、企業から生まれるのはごく少数であるとの事。

それに関する論文、雑誌「プレジデント」への記事など、教授の研究発表等が同封されていました。

どうやって調べたのか、私のところに、それに関するアンケート調査の依頼がやって来ました。

どこで聞いたの? (笑)

いろいろと調査項目がありましたが、まじめに書いて返送しました。

たしかに、今までに存在しなかった製品ですが・・・これってイノベーションなの?

全く関係ない人から評価されるのは、なんかとってもうれしいもんですね。




にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

販売のきっかけ

2013.11.09(Sat)

私には、長年の釣り友がいます。




今から26年前、仕事の関係でお会いしたのが初めて。
お互いに釣りをする事がわかり、話をしているうちに、意気投合したのでした。

と言っても、歳は親子ほども離れています。

彼は大正14年生まれ。
お会いした時、私は23歳、彼は63歳でした。

彼は若い時、とある世界的有名メーカーの工場長を務めていました。

ライバルを蹴落とす、今では考えられない様子を、酒を飲みながら話してくれたものです。
日本の高度成長期の裏を垣間見たような気がしました。

彼は海釣り専門で、特にチヌ釣りが得意でした。

堤防から、まるでヘラのように細長いウキで、イモダンゴの宙吊りで釣ったり、ダンゴを底に這わせて釣ったりします。

何度一緒に行っても、回りの人の倍以上を釣り上げます。

その地域の常連さんには、有名な人でした。

私は彼にチヌ釣りを教えてもらい、釣りだけではなく、食事や飲みにも連れて行ってもらっていました。

そのうちなんとか同等の釣果を時々出せるようになり、お互いに暇を見つけては、電話で「今度いつ行く?」と連絡し合っていました。

その時、竿かけに不自由して創ったのが、「楽竿」です。
もちろん、改良の繰り返しですから、今の形になるまでには、かなりの年月がかかっています。

時々、彼に使ってもらっては、意見をもらう・・・そんな繰り返しでした。

ある時、「もうこれでいいよ。 1台作ってくれ。」

と言われ、作ってあげたのですが、現在の数世代前の未完成バージョンです。

新しいのを作っても、「これでいいから」と言って、受け取りません。

頑固一徹の人ですから、何か感じるものがあったのかもしれません。


そのうち、私の仕事が忙しくなり、国内外の出張が激増。
1か月のうち、家に1週間、ひどい時は3日もいないくらいになりました。

当然、釣りどころではありません。

彼との釣行もなくなりましたが、お互いに電話で「この間どうだった?」とか「今、何が釣れてる?」という連絡だけはしており、なんとか1年に1回は、一緒に釣りに出かけたものです。

歳も歳なので、病気で入院する事も度々あり、豪快だった人が、優しい感じになってきました。


数年前、釣りに行った時、少し弱った体で、

「昌裕君なぁ~、俺、これがないと、もう釣りができないんだよ。」

と言われた時は、ショックでした。

「これ」とは、私が作ってあげた楽竿です。

握り締めながら、しみじみと言われた時、私は言葉が出ませんでした。

常々「もう釣りしか、やる事がない」と言っていた彼が、未完成のバージョンを、ずっと使い続けてくれているのです。

体は弱り、竿などはずっと持っていられず、反射神経も衰えている。

それでも、これがあるから、釣りができていると言うのです。

私の創った楽竿が、彼に生き甲斐である釣りを続けさせているかと思うと、うまく説明できませんが、胸が詰まりました。


その時です。これを販売しようと思ったのは。

人の役に立つものであるならば、また、私にその助けができるならば、素晴らしい事ではないか。

販売する意味があると思ったのです。


しばらくして彼に相談すると、ぜひそうしなさいと背中を押されました。 絶対に必要としてくれる人がいるからと。

それまでは、自分のための道具作りでしたが、その時から180°の方向転換になったのです。


以上が、楽竿シリーズを販売する事になった経緯です。



彼は東京を離れ、生まれ故郷に帰っています。

前回、彼と行った釣りは、2010年11月17日。
危ないからなぁと、まよう船長に、私がついているからと言ってお願いし、一緒にイカダに乗りました。

kikkake001.jpg

数世代前の楽竿を使用してくれています。

kikkake002.jpg

特に大物を狙っていたわけではなく、サヨリとアジを釣り、一緒に楽しみました。

これ以降、入退院を繰り返したため、私と釣りに行くタイミングが合わずに現在に至っています。



今年の夏、久々に会いに行きました。

前回よりもかなり痩せていて、歩くのも難儀していました。
外出するときは、鼻に管を付けて、酸素ボンベを引いて行くそうです。

腰が痛くて釣りに行けないとの事でした。 同級生は全員亡くなり、訪ね合う人もおらず、釣りに行けないのが一番つらいと言われ、今度来た時、一緒に釣りに行こうと約束し、別れました。

早く行かねば、と気ばかり焦っています。



にほんブログ村 釣りブログ 磯釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログ 海釣りへ
にほんブログ村

にほんブログ村 釣りブログへ
にほんブログ村

プロフィール

楽竿作者

Author:楽竿作者
釣り歴36年だけど、磯は初心者!
房総、伊豆半島、三宅島、八丈島に出かけています。

アクセス

カテゴリ

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

にほんブログ村ランキング

↑